十四 市民革命以後の支配者

市民革命以後、成功者、支配者はその本質を隠そうとする。そこが前時代とは違うところ、そのかわり、国防となったときには、自分だけが体を張って出ていくことはない。そのため、これが支配者だと証明することが難しい。そこにこの理論を広める時の困難がある。しかしこれを突破しないと、明治維新が市民革命であることを証明することにならない。
2017年のアメリカ合衆国でトランプ大統領が出現した。国務長官テイラーソンとともに、ビジネス界の大成功者である。その他政権中枢に投資会社で成功したもの、ゴールドマン・サックス出身者など、だれがみてもビジネス・パーソンの支配であることは明らかであろう。これに軍人のトップが加わっている。アイゼンハウアー元大統領が、退任の演説で「軍・産複合体制」の支配について警告したが、今は産業を支配する金融が前面に出てきている。「軍・金複合」体制だ。官僚ではなく、軍であることは、アメリカの特殊事情によるものである。官僚は、大統領次第で入れ替わるからである。対立候補のヒラリー;クリントンについては、トランプが「ウォール街から献金を受けている」と暴露して、ヒラリーはビッグビジネスの側というイメージが定着した。こうなると、どちらが勝ってもビッグビジネスの支配という本質は変わらない。ここが重要なことで、市民革命以来、どこの国でもこういうことが起こっているのである。
もうひとつ重要なことがある。そうではありながら、そうではなさそうなことが起きる。そのなさそうなことに人々は引っ張られ、あたかも幽霊を現実のものと思い込むように信じ込んでしまう。それがトランプ政権についてもあった。それは白人中産階級の反乱という命題である。この運動を代表したのが「バノン大統領」とよばれた現象であった。つまり、バノンがトランプを選挙で勝たせた。つまり白人中産階級が勝利した。ある種の革命の様なものが出来た。さていよいよ彼らのための革新的政策だ。賛成、反対どちらの陣営も身構えた。しかしバノンは去り、軍金複合体制がホワイトハウスを支配した。つまり動産支配の本質に戻った。こういうことは、歴史の中でよく起こり、人々がその本質をよく知ることなしに、現象面だけが語り伝えられるために、支配の本質がわからなくなるのである。ここで確認しておきたいこと、「白人中産階級の反乱は幻想であった、ビッグビジネスの支配だけが続いた」、この考え方を歴史に応用しようとするのである。

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