第43条 彼強自保 ひきょうじほ

彼強し,我保つ、これでは、何のことかわからない。最もわかりにくく、かつ誤解を招きやすい言葉である。彼強いというとき、対戦相手の人間のことを言うのか、それなら、上手は皆強いし、下手は皆弱い。実はそうではなく、盤上の石の形のことを言うのである。相手の石の形について、強いとか、弱いとかを言うのである。だから、下手の石であっても、その形が強いのであれば、彼強しとなる。強いとはどういうことであるかというと、すでに生きた石、強力な壁などである。これができると、たとえ下手の石であっても、彼強しとなる。その時、我は保つでなければならない。どういうことか。保身の術を図れとなる。つまり、素早く生きろとなる。これについて、手抜きをしたり、攻めさせてやろう、どうせたいしたことはあるまいなどとたかをくくってはいけないといっている。もちろん近い石のことを言うので、自分の石がまだ生きていないとき、その近くに相手の強い石ができたとき、一瞬の判断で、自分の石を生きるべしといっている。これは非常に重要で、碁に負けるとき、ほとんどの場合、この原則に反した打ち方をしているようである。

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