耳学問は威力がある

とにかくよく負けるのに、「素質あり」、「筋がいい」、「序盤は高段者、いや、プロ並み」などと言われてきました。こえうぁ一体何か、ほかの人になく紹介した知人て、私にあるものといえば、すぐに答えは出てきました。最初に出会った高段者の先輩です。7歳ぐらい年上です。戦争直後であったから、こういうこともあったのです。木谷道場に通っていて、軍隊に入り、戻ってから東大へという道を取ったという人です。本来プロ志望であったから、その思いを私にぶっつけてきます。また同室の誰彼となく、囲碁の原理を説きます。時あたかも、木谷、呉清源の新布石の研究がクローズアップされた頃、高度な内容をたっぷり聞かされました。聞いても分からないのがほとんど、ただ無条件記憶として頭の中に入ってきたのです。これが今思うと重要なのです。受験勉強で神社、仏閣、名所旧跡を丸暗記します。年がいってからそこを訪ねて、「ああ、これがあれか」と感激する。記憶はいっぺんに鮮明となり、生涯忘れません。これが碁の分野に、私に作用したのだと思います。だから高段者に接近してきても、位負けしないので、水を得た魚のように動けるのでしょう。勉強し始めると、急速に上昇しました。前回紹介した知人を基準にすると、70歳で4段同志、互先で打っていましたがついに5目おかせるほどになりました。その方は、2段ほど上昇なさいました。合わせて7段分かと、振り返って、これひとえに、あの先輩に叩き込まれた碁の理論の耳学問のせいであろうと思っています。そこでみなさんにも、理論の耳学問をおすそ分けしようか、これがこのブログの原点です。

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