危機感お持ち方・続

その6段の友人が黒、私は白で始めました。中盤で黒石を切り離し、根拠を失った黒の数目の石が、中央に向かっています。その行く手に白石がパラパラとあり、黒石はありません。それを見て私はこれは白勝ちの構図と思いました。まさかこの石を逃げることはないだろうとも思いました。
ところが逃げ始めました。結局は大石になって御用となり、相手投了となりましたが、「この石が生きていたら、僕のほうが地合でよい」といいます。場外バトルはやめておこうと思って、黙っていましたが、頭の中では、6級程度の少年にたいして指導碁を打っていた時、「このように黒石が偏ってしまうと、もう勝てなくなるよ」と忠告すると、「今から入っていきます」と平然と答えて、私がびっくりしたことを思い出しました。
さらに自分のことを思い出します。5段程度のこと、上手の人に、「こんな固いところに入ってきますとね」と説教されました。後はどういわれるか、だれでも想像できるでしょう。4段程度のころ、「あんな強い石に近ずいたら危ないと思っていましたよ」といわれ、心の中で、「弱きを助け、強きをくじく」、「いいじゃないか」などと反論していました。
今になってみると、碁はそういうものではない。勇猛果敢はだめで、弱みを知り、早目に対処することが重要、危機感の持ち方次第で棋力は上がる。こう理解しなければいけない。これをさらにひっくり返すと、「ここでこう打って、くつろぐと大成功」という評論を聞いて、その通りと思うのはよいが、「どうして」などといっているのでは上達しないことになります。プロにとっては当たり前のことでも、アマチュアにとっては、棋力の段階によって、その理解度はちがいます。

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