すでに生きた石からは動くな

すでに生きた石は強い。たたいても蹴ってもびくともしない。ここが人生とは違うところ。暗殺も爆破もできない。したがって、この石から動いて、そばの石を取りに行くのは、無駄石を打ったことになり、一手遅れることになる。互先なら、こみなしの黒持ち、つまりは、6-7目、得を相手にさせたことになる。逆に、生きた石にへばりついた我が方の石は、「かすいし」の扱いとなる。プロにこういわれて、「カス石とはひどいじゃないか」と思ったのは、5段当時の私であった。今となっては、大反省をしている。
そこで、この原理にプロが反することは100パーセントあり得ないと思っていた。ところがである。1月26日の「王座戦」の棋譜を見ると、プロの9段がその「カス石」をとりにいって、あとで反省、観戦記者からも間違いを指摘された。もちろん、記者の意見は、プロ高段者に相談した結果ではあるが。
つまりは、この原理「すでに生きた石からはうごくな」は、「言うは易く、行いは難し」という古くからの格言そのものであったようだ。私なども、100パーセント実行しているとはいえず、負けた時の多くは、この原理に反しているときのようだ。
特に反するのは、隅で生きた石から動く場合、次に辺で生きた石から動くときのようだ。例えば、相手がかかる、こちらが一間にとぶ、相手がもう一つ飛ぶ。こうしてどんどん飛んでいけばよいのかどうか。何処までで生きたか。生きた瞬間に、この原理を思い出して考え直すという必要があるのではないか。

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